飲酒運転撲滅CMが話題。柴犬のこゆき、事故の犠牲になった飼い主を待ち続ける

      2014/10/24    ニュース

飲酒運転撲滅を訴えるCMが話題となっています。登場するのは柴犬のこゆき。こゆきの飼い主であった高校1年生の山本寛大(やまもと かんた)さんは、飲酒運転の車によってその尊い命を落としました。

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こゆきが登場する飲酒撲滅CM

寛大さんの母・美也子さんは事故の直後から飲酒運転をなくすための活動を始めました。こんなに辛い想いをして欲しくない、息子の死を無駄にしたくないとずっと活動を続けてこられました。

次第に支援者の輪が広がり、今年、飲酒撲滅のためのCMが完成しました。

CMに登場する柴犬のこゆきは、事故の犠牲となった寛大さんが小学5年生のときに山本家にやってきました。以来、寛大さんが欠かさず散歩をしていました。一緒に遊び、毎日一緒に寝て、まるで兄弟のように過ごしてきました。

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CMの中でこゆきが歩く道は、すべて寛大さんと歩いた思い出の道なのです。この撮影の日もこゆきは寛大さんの面影を探すように歩いていたそうです。

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▼CM動画

寛大さんが学校に行っている間、こゆきは寛大さんのベッドでお昼寝をしていました。寛大さんのにおいに包まれて眠るのがこゆきのお気に入りだったのです。

事故後、遺影の前に座り涙を流す母・美也子さんのそばにいつもこゆきが寄り添いました。そして、そこがこゆきの定位置になったのです。寛大さんの匂いに包まれて眠っていたこゆきは、写真の中で微笑む寛大さんの前で眠るのです。

事故のこと

2011年、寛大さんは、同級生の皆越隼人さんと2人で歩いているところを、飲酒運転の車にはねられました。現場は見通しのよい道路で、飲酒による居眠りによって、2つの尊い命が奪われました。

▼事故現場と大破した車
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出典:http://blog.livedoor.jp/hiraokamasaya/

犯人である35歳の男は、居酒屋で酒を飲んだ後、睡魔に襲われつつも時速75キロで走行し、道路脇を歩いていた2人をはねました。これまでに酒気帯び運転で罰金刑に処せられていたにも関わらず、その後も何度も飲酒運転を繰り返し、この重大な事故を引き起こしたのです。

寛大さんは建物に頭を突っ込んだ状態で発見され、また隼人さんは衝突現場から43メートルも飛ばされていました。2人ともほぼ即死でした。母の美也子さんは「自分が死んだかどうかも解らないくらいのすごい衝撃で亡くなったんだと思います。なんか、ニッコリ笑ったような顔で亡くなっていましたからね」と言っています。

友人同士で談笑しながら歩いていたところ、本当に突然、そして一瞬にして命を奪われたということがわかります。

友人たちの訴え

事故後、寛大くんの中学時代の同級生が、飲酒運転撲滅を訴えるメッセージを作成し、メールなどでの拡散を訴えています。

みなさんこんにちは。
私たちは多々良中央中学校の第35期生です。
私たちは大事な友達を大人の勝手なわがままで亡くしました。
ほんとに悔しいです。
悲しいです。
寛大の命返せって言ってやりたいです。
でも今、寛大の願いは私たちが元気に笑っていられることだと思います。
今日はお葬式でした。
地元が一緒だった全員が参加し、涙し、悔やみ…そんなお葬式でした。
できることならもう1度寛大に会いたい、そんな願いです。
電話してもメールしても寛大から返事はありません。
寛大は私たちの笑顔を見ることが何よりの支えになると思います。
今私たちができることは、寛大のために飲酒運転撲滅を呼び掛けること。
それくらいです。
これで寛大の力になれるのかは分からないけど、
このメールをできるだけたくさんの人に回していただけたら光栄です。
私たちの大好きな寛大の死を決して無駄にはさせません。
呼び掛けよろしくお願いします。m(__)m
多々良中央中35期生一同。

大事な友達を大人の勝手なわがままで亡くしました 本当にその通りで、同じ大人としてこの言葉が胸に刺さります。

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2つの家族

寛大さんの父・浩之さんは20歳のときのバイク事故で下半身に障害が残り、車いすの生活を送っておられますが、車いすマラソンでパラリンピックに出場し6位入賞や、東京マラソンで優勝するなど、国際大会でも活躍されている選手だそうです。

事故直後に東京マラソンへの出場予定がありましたが、出場を迷っていました。しかし、東京への修学旅行を楽しみにしていた寛大さんの想いを乗せて、顔を上げて走る決意をしました。

そうやって、寛大さんのご両親は寛大さんの死を苦しみながらも動こうと頑張ってこられました。

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出典:https://readyfor.jp/projects/para_yamamoto

一方で、隼人さんのご両親は一度も裁判を傍聴することができませんでした。母親は救急車の音を聞くと厳しい動悸に襲われるなど、体調がすぐれないという。傍聴に行かなければと思っても行けないと当時語っていました。

悲しみの深さは同じです。寛大さんのご両親の原動力も息子さんへの愛と悲しみと怒りで、隼人さんのご両親が動けない原因も息子さんへの愛と悲しみと怒り・・・

飲酒で自分の楽しみを得た人が軽い気持ちで運転し、たくさんの人の人生を狂わせました。ハンドルを握る人は自分がその加害者になる可能性を常に持ち合わせている事を理解しなければいけないと、改めて考えさせられました。

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